ふっくら心地よく再生する綿の話
羽毛布団と同様、綿のお布団のご相談も、暑い時期に多くなります。

先日も「掛け布団がだいぶ傷んできたので、打ち直しができるか見てほしい」と、お客様からご相談をいただきました。

さっそく側生地をほどいて中の綿を確認してみると、綿とポリエステルの混ざった“混綿”で、化繊の割合が高めでした。とはいえ、綿の傷みはそれほど進んでおらず、打ち直しで十分再生できると判断し、お預かりさせていただきました。
打ち直しとは?
「打ち直し」とは、布団の中綿を一度ほぐして繊維状に戻し、汚れたり傷んだりした部分を取り除いたうえで、新しい綿を加えながら再生させる作業です。使い慣れたお布団を、もう一度ふっくら心地よく仕立て直すための大切な工程です。

打ち直しの流れ
1・荒打ち(あらうち)
まず、古い布団の側生地から中綿を取り出し、手作業で大まかに割いていきます。
この綿を製綿機(両面機)で、粗く繊維状にします。「荒打ち」という工程で、この段階で大まかな汚れを取り除き、綿を再生に向けて整えます。
側生地を外します 中綿を大まかに割いて 製綿機にセットします 両面機を潜ると 大まかな汚れが取り除かれて 使用可能な綿が残ります 「荒打ち」の工程が終わった綿
2・足し綿と再生綿づくり
次に、状態を整えた綿に「足し綿(たしわた)」を加え、今度は製綿機(カード機)で細かくほぐして再生綿を作ります。
今回は、ポリエステルの割合が高めだったため、寝心地を改善する目的で、吸湿性の良い“米綿”を足し綿に使用し、全体のバランスを整えました。
ポリエステルが多いと軽さは出ますが、湿気をうまく逃せずムレやすくなります。
そこで今回は、天然素材の綿を加えることで、通気性を高め、より快適な布団に仕上がるよう工夫しました。
荒打ちした綿に、足し綿を加え もう一度細かくほぐし 綿を繊維状まで戻して再生し 布団綿に作り直します この工程でも、使えない綿は取り除かれ クリーンな再生綿へ(上の綿)
下の綿は、荒打ち綿
3・綿を寝かせる
仕上がった再生綿は、すぐに使わず、しばらく「寝かせる」時間を取ります。
これは、綿のふくらみを落ち着かせ、側生地とのなじみをよくするためです。
一定期間、重しをのせて綿を落ち着かせてから、綿入れ作業に入ります。
仕上がったばかりの再生綿 重しをかけて寝かせます 綿入れ作業を経て ふかふかの 掛布団へ 生まれ変わりました 綿の打ち直し(掛布団)スタンダードコース シングルサイズ仕上げ
大切に使ってきた布団を、これからも。
今回のお布団も、これまで大切に使われてきたことが感じられるものでした。打ち直しによって、これからも気持ちよく使っていただけるよう、心を込めて再生させていただきました。
綿の打ち直しには、布団に対する「もう一度使いたい」という気持ちが込められています。もしお手持ちの布団で「少しへたってきたな」と感じられたら、どうぞお気軽にご相談ください。
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